「終わりだね、」 へらり、とこの場に似合わない笑みを整った顔に浮かべた彼は、あたしの手を握りながら言った。 声は柔らかく心地いいのに、発した言葉は冷たく刺すものだった。 ああ、そうか。終わりか。 『終わりか。』 「そうだねえ。終わりだねえ。」 彼のベッドでの出来事だった。