歩道橋の手すりに手を掛けて、ぐっと力を入れて体を持ち上げる。 手すりに足がかかる。 目を閉じた。 笑いがこみ上げてきた。 なんだかんだ楽しい人生だった。 あたしがこんなことを思えるのは彼のおかげだった。 足にぐっと力を入れて飛び降りた。 暗闇に吸い込まれていくあたしを、車のライトが浮かび上がらせた。