露出狂はいたって簡単だった。
見せている隙に足払いをし、顔面パンチ。
近くにあった警視庁に直々に押し込んでやった。
尾行より疲れた。
「あぁああっ!!なんだ!!最近の人間は!!こんなくだらない奴等ばっかりなのか!!大体、股間なんか見せて誰が欲情すると言うんだ!!」
「随分怒り心頭だね、レイン」
「あぁ…くだらなさ過ぎて頭にきた」
「でも、凄いよ、4時間で二つの依頼をこなすなんてレインはやっぱり凄いね」
「…一人に顔をさらしてしまったからな…」
「大丈夫だった?」
「見せた瞬間に怯えた」
「そっか」
「で?計画のほうは?」
「少し早まるかも知れない。」
「え?」
「真由子が流産したんだ」
「…流産?」
「そう、駅の階段で何者かに後ろからボーンってね」
「そうか」
「その犯人は捕まった」
「誰だ?ソイツは…」
「海藤雅夫」
「誰だ?」
「大谷真琴の不倫相手だ」
「はぁ!?」
「大谷真琴も実は不倫をしていた。」
「それって私達がアイツ等を殺す意味は?」
「あまりないかもね、でも依頼は依頼だ」
「いや、待て…完全にハメられてないか?」
「ハメられてもいい、依頼金がもらえればね」
綺羅は笑顔でコーヒーを飲む。
レインは少し寒気がした。
自分たちは何かよからぬ事に巻き込まれた感じがしたからだ。