「綺羅、計画は?」
「あ、うん。結構良くないかな?」
綺羅が手渡したのはA4の紙だ。
その紙には所せましと綺羅のキレイな文字が並んでいた。
「…」
「どうかな?どうかな?」
「人は人を殺すのに何のためらいもないんだな」
「レインはあるの?」
「…私は分からない」
「そっか」
「私の所は一日目でスケジュールを把握した。大体、朝昼晩は一時間以上は話をしている。夜のほうは今からだが…」
「夜は大体予想できるんじゃないかな?奥さんである大谷真琴には飲み会だと偽り本当は真由子とホテルで―――」
「それ以上は言うな…私でも分かる」
「はいはい~♪」
「なぜ嬉しそうなんだ」
「レインが理解してるって事は…俺達もいずれそんな関係に~」
「ぶん殴る」
「ゴメンゴメン!!」
「…この監視を一カ月続けるのは苦行だ」
「じゃあ、この依頼をこなしつつ他の依頼もやってくれる?今回は珍しく人数分の依頼が来てるんだよ」
「へぇ?じゃあ私への依頼は?」
「ひったくり犯と露出狂を捕まえる。」
「楽勝ね」
「ひったくり犯は主に足立区の住宅街の一角で、露出狂は渋谷区の一角。」
「分かったわ」
レインは手をポキポキと鳴らす。
気あいが入っている証拠である。
「いってらっしゃ~い♪」