「ごめん…っ綺羅を泣かせるつもりじゃ」
「ううん、俺が悪いんだ。俺、頭に血が上ると抑えられないんだよ…」
「僕も謝るよ兄さん」
「で、沙羅。何の用?」
「僕兄さんを連れ戻しに来たんだ」
「はぁ?」
「父さんに頼まれて兄さんを強制連行してこいって言われてさ、もし言う事を聞かない場合は兄さんの大切なレインさんを殺さなければならないんだ」
「はぁっ…ざけんな」
「綺羅」
「…っ」
「沙羅、それはどういうことなんだ?」
「綺羅兄さんが必要なんだ、なんでも屋なんてしている暇は僕たちにとっては無いはずだ、黙って家を出ていくなんて汚いよ」
「勝手に出て行ったのは謝る、けど俺は家には戻らない」
「…はぁっ、兄さんって本当に頑固だね」
「なんとでもいいなよ」
「父さんには僕から説得しておく…しかないよね」
「そうしてよ、俺は戻る気は微塵もないってね」
「…僕を伝達変わりにしないでほしいよ、父さんといい、兄さんといい…」
「じゃあ、沙羅。俺とレインのラブラブ旅行を邪魔しないでくれないかな?」
「へぇー、もうそういう関係?」
「おい、綺羅。勝手に話を進めるな。殺すぞ」
「こ、この通り彼女はピュアなんだよ」
「おっと、じゃあ僕は退散するよ。じゃあねラブラブバカップル」
「バカだと!?」

沙羅は部屋の窓から何処かへ飛び下りて行った。