「俺はね、温泉旅行がいいかなって思うんだよぉ」
「…温泉」
「そうそう!!2000万円もあるんだからさ~、一週間は余裕だね!」
「まぁ、息抜きも必要だよ、な」
「うんうん!!じゃあ!温泉旅行決定だね!!」
「あー…うん」
「事務所は結構空ける事になるけど…」
「いいんじゃないか?そんなに仕事も無いし」
「ヒドッ!」
「で、綺羅がリードしてくれるんだよな?旅行は初めてだ」
「喜んで!!!!俺がぜーんぶリードしてあげる!!」
「なんか…嫌な予感が」
「気のせい気のせい★」
温泉旅行の真っ最中、なんでも屋は宿泊先でも事件に巻き込まれる羽目になるなんて今は知るよしも無かった。


「おーい、綺羅。起きろ」
「んー、レイン夜這いかい?」
「今日は出発日だ」
「んー……出発日、出発日…あぁ!!」
綺羅は勢いよく飛び起きる。
「そうだ!!今日からレインとの新婚旅行だ!!」
「黙れ、新婚でも何でもないわ」
「ひどぉーい、いつかは俺と結婚する運命なのにぃ」
「誰がお前みたいな変人と結婚すると言ったんだ、一応言っておくが私は人間ではないんだぞ」
「でも、体は人間じゃん?」
「この変態」
「うふふ~♪じゃあ支度して行こうか」
「あぁ」