「お前に人を傷つける権利も愛する権利もない」
「ヒィッ!!!!!」
レインの手にはいつの間にか長く先が鋭い鎌が握られていた。
「いい忘れていたが、私は悪魔で死神だ」
「やめ…っ!」

ギシュッ

「地獄で後悔しな」
「ぎゃあああああああああああ!!」
大谷真琴の体が真っ二つになる。
傷口からドピュドピュと血が流れている。
切り裂かれた上半身が少しピクピク動いている。
そんな死体をレインは冷たい目で見つめていた。
「お前の恨みはこんなのじゃ済まさない。もっと苦しんで死ね」
再びレインは女に向かって鎌を刺した。
頭部は切り裂かれみるも無残なバラバラ死体になってしまった。
「もっと…もっと……きりきざ―――」
「レインっ!!」
ハッと我に返った。
私は一体何をしていたんだ。
大谷真琴を殺したのまでは覚えている…でも後の記憶が…
「レイン、無事?」
「あ、あぁ……綺羅!!」
レインは勢いよく綺羅に抱きついた。
返り血を浴びた白い手を綺羅は優しく握った。
「…よくやったよ」
「…っ、綺羅…私、我を忘れてっ」
「大丈夫、怖くない怖くない」
よしよし、といいながら綺羅はレインの頭を撫でていた。
「一先ず事務所に帰ろう」
「うん」



二人は夜の街に姿を消した。