指定した公園に真由子はいた。
「真由子!!」
「雄一さ…」
言葉を遮るかのように俺は真由子を抱きしめた。
「くる、しい」
「会いたかった…あってこの腕にっ」
「苦しいよ……雄一さん」
この時ほど、愛していると思ったことはなかった。
「雄一さん……聞いて」
「ん?」
「…“なんでも屋”って言ってね…、何でも引き受けてくれる人達が居るの、でね私…考えたんだ…」
「何を?」
「……真琴を殺すの」
「え?」
「真琴を殺して私達だけ幸せになりましょう。私ね…黙ってたけど…お腹に赤ちゃんが出来たの……しかも結構月日がたっててね…」
「本当か?」
「うん、妊娠の話は本当……だから、真琴が生きていたらいつかこの子が…殺されるかもしれない、私達だけじゃなくて…この子まで」
「……この話はもう少し考えてから…にしないか?今は二人で何処か遠くに逃げよう」
「分かったわ…雄一さんを信じる」
真由子のぬくもりを感じながら俺は決心した。

真由子とこの子を守るのだと…