妻の話をしよう。
俺と真琴さんが出会ったのは3年前。
真由子の親友だと聞き、顔を見せるだけといわれ通い付けのカフェに入った。
この出逢いが悲惨な結果を招くなんて…この時の俺と真由子は知らなかった。
清楚でおしとやかなイメージが強かった。
喋り方も丁寧で笑顔もキレイで絵にかいたような理想郷の女性が真琴さんだった。
真由子が席を外した時
不意に真琴さんが口を開いた。
『ねぇ……あんな女の何処がいいの?』
その時俺はその言葉の意味を理解していなかった。
俺は出来るだけ真由子のよさが伝わるように説明した。
清楚なイメージとはかけ離れて行った。
足を組み、束ねていた髪の毛を下ろすと、まるで色仕掛けでもしているかのような目で俺を見てきた。
あの頃の俺はバカだった。
『ねぇ…、一度真由子が居な所で会ってみない?』
こんな誘惑に乗るなんて…飛んだバカ男だよな。
でも、この時は遊び半分だったんだ。
まだ若かったし、真由子にないモノを真琴さんは持っているような気がしたんだ。


これがのちの“後悔”という奴だ。