「うーん。そうだなあ…。

このバンド始めて2年の間に、ボーカルが3人も変わったけど、それでもあんまり影響受けずにやってこれたのはさ。

僕らのバンドってボーカルの人気にはそう左右されないのかもしれないよ」


ん?


どういう意味だろう?


「多分、客の大半はキョウセイと拓真が目当てなんだと思う。

だから僕は、里桜ちゃんがボーカルやっても何の問題もないよ」


「えぇっ?」


思わず声を張り上げた。


「里桜ちゃん、お願いできないかな?」


そんな、小山君まで。


チラリと相原君を見てみれば、なんだか納得したような素振りだし。


「まぁ、俺ら所詮アマチュアバンドやしなー。
楽しくやれれば、それでええかー」


何?相原君。


その投げやり感。


「いいじゃん。里桜。
私も協力するしさ。
加入しちゃいなよー」


亜美は小山君といられるからでしょー?


私にとっては大問題なんだよ。


だって。


磯村君がいるから…。