1限が終わったら、俺もキョウセイも空きコマやったから、キョウセイを連れて授業やってへん講義室に入った。


キョウセイは酷く疲れた顔をしとって、なんや少し痩せたような気がした。


せやけど、言わなアカン。


俺は、こういうこと黙ってられへんタイプやから。


「キョウセイ、朝田さんとヨリ戻したんか?」


単刀直入に聞いた。


回りくどい聞き方は好きやないねん。


薄いカーキ色のクルーネックのTシャツを着たキョウセイは、窓にもたれたまま俺の質問に返事もせんと床の方を見とる。


「大体の話は聞いた。

朝田さん、手首切ったらしいやん。

それでお前は、責任感じて戻ったっちゅうわけやな?」


俺の話を黙って聞いとるキョウセイ。


その表情はとても硬い。