「何や、それ…」


亜美ちゃんから一部始終を聞いて、俺は呆然としていた。


「手首切るとか、ありえへん…」


なんでフラれたくらいで、そんなことせなアカンねん。


俺にはさっぱり理解でけへん。


「あの子、昔もそういうことしてたのよ」


「え…?」


「里桜はそういう京香が不憫だから、友達やってたの。

どうやら磯村君も、そうだったらしいわ。

京香の手首の傷を見て助けてあげたくなって、それで付き合ったらしいから…」


は…?


なんや、それ?


なんでそんなんで、付き合おうとか思うんやろ。


「そういうことだったんだ…。

僕も不思議だったんだ。

どうしてキョウセイが朝田さんと付き合ってるのか…。

なんか責任感じるよ。

清水先輩に頼まれて、二人の連絡先を交換させたのは僕だから…」


そんなん…。


もう言うてもしゃーないことやけど。