もう一度抱いて

救急病院の近くの駅に到着すると、私は走ってその病院を目指した。


ここは、京香が住む町の近くだ。


来たことはないけれど、住所を聞いているので知っている。


京香を発見したキョウセイは、京香の手首にタオルをぐるぐると巻きつけ、タクシーに乗り込んだと言っていた。


どんな気持ちだっただろう。


きっと、すごく怖かったに違いない。


お姉さんを、思い出しただろうか?


キョウセイの気持ちを思うと、私は胸が張り裂けそうだった。


それでも、走って走って。



病院の前に到着した。