もう一度抱いて

「里桜ちゃん。
キョウセイがな、大丈夫や言うてた。何も心配せんでええって」


「キョウセイが…?」


「うん。せやから18時まで、俺らだけでもちゃんとここで練習しよ。なっ」


「相原君…」


そう…だよね。


何があったって、キョウセイと私の気持ちはきっと変わらないもの。


「そうよ、里桜。
何もせずに不安になって待ってるより、練習しながら待ってた方がずっといいわよ。
そうしなよ」


「うん…。わかった。
そうする」


私の言葉に、小山君がドラムセットに向かう。


相原君もベースを手にした。


きっと大丈夫。


だから、予定通り練習する。


信じて待ってる。


キョウセイ…。


あなたからの連絡を、待ってるから…。