もう一度抱いて





長い時間の後、気がつけば外はもう真っ暗になっていた。


依然カーテンの開いたキョウセイの部屋は、街灯や店の明かりでそれなりに明るくて、そのことに気づかないほどだった。


私達は離れることも出来ず、横になったまま、まだ抱きしめ合っていた。


「ありがとう…」


「ん…?」


「私の気持ちに応えてくれて…」


嬉しかった…。


またひとつになれたから。


「それを言うなら俺だよ。

俺だってずっとそうしたいと思ってた。

でも、そんなこと言える立場じゃないし…。

永瀬が言ってくれて、すげぇ嬉しかった…」


私の頭上で囁くキョウセイの声は、いつになく優しかった。