もう一度抱いて

「…り…お、りお…っ」


キョウセイが私の名を呼ぶ。


初めて名前で呼んでくれた。


嬉しくて思わずキョウセイの汗ばんだ背中に腕を回した。


「好、き…っ」


消えてしまいそうな苦しい声でそう告げると、キョウセイはさらに動きを速めた。


ぎゅっと隙間なくしがみつくと、キョウセイも強く抱きしめてくれる。


もう何もいらない。


もうこれで充分だ。


これほどまでに愛してくれたのだから…。


揺れる身体で激しく唇を重ねた後、はぁっとせつない息を吐いて、キョウセイは私の胸に顔を埋めた。


そして、そのまま気が済むまで抱きしめ合った。