「里桜ちゃん、そないその人のこと好きやなかったんとちゃう?」


私は首を横に振った。


「好きだったよ。
好きじゃなきゃ、付き合わないもの」


好きなのに、どうしてだったんだろう。


酔ってみたり、色々試してはみたけれど、どうにもならなかった。


「昔からなん?」


「ううん…。そうじゃない…」


「いつから…?」


「それは…その…」


どうしよう。


こんな話、少し恥ずかしい。


「あ、もしかして」


「え…?」


「さっき言ってたアレちゃう?

朝田さんに好きな人寝取られて。

それがショックやったからちゃう?」


相原君に言われて、私は思わず目をぎゅっと閉じた。