「里桜ちゃん…」


「ん?」


私が机に視線を落としていると、相原君が私の左手を取った。


「キョウセイが好きで、バンドにおるんがつらいんやったら」


「つらいん…だったら?」


相原君が急に私の顔をじっと見つめるから、なんだかやけにドキドキしてしまう。


「俺と付き合わへん?」


「え?」


突然意外な事を言われて、目がパチパチしてしまう。


「あの、急にどうしたの……?」


意味がさっぱりわからないよ。


「別に俺のこと好きやなくてもええねん。

意識をちょっとずつ、ズラして欲しいねん。

キョウセイから、

俺に…」