「里桜ちゃん、大丈夫?」


小山君が心配そうに声をかけてくれる。


「ごめんなさい…」


こんなことになって、どうお詫びしていいかわからない。


「いいんだよ。大丈夫。
みんなでフォローし合えばいいだけのことだよ。
僕だっていっぱい失敗はしてきてるんだ。
気にしなくていいんだからね」


優しい言葉をかけてくれる小山君に、また泣きそうになってしまう。


「永瀬。大丈夫か…?」


キョウセイに聞かれて、私はコクンと頷いた。


「何が、あった…?」


真っ直ぐな瞳に、ドクンと心臓が跳ね上がる。


「ご、ごめんね…。ちょっと緊張して…」


私がそう言うと、亜美が急に立ち上がった。


「磯村君」


低い声を出す亜美。


「なに…?」


「京香が来てたわよ」


亜美の言葉に、キョウセイが目を見開いた。


「前に話したよね?
京香をライブには連れて来ないでって」


え…。


亜美ったら、そんなことキョウセイに頼んでいたの?


「俺、今日ライブがあるなんて、教えてないんだけど…」


キョウセイは明らかに困惑しているようだ。