え…?


そうよって言った?


今、確かにそう言ったよね?


うそ…でしょう?


こんなことって…!


「気に入らなかったの。

女子からあんなに人気のある平野君と付き合ってるアンタが。

だから誘惑してやった」


「京香…」


「私が好きな人、ふたりもアンタが取ったのよ。
許せるわけないでしょう…?」


私は指に力が入るのを感じていた。


ブルブルと身体中が怒りで震えてしまう。


「ひどい…。

ひどいよ…。

すごく傷ついたんだから。

すごくショックだったんだよ。

今でもあの光景が忘れられないの。

苦しくて、思い出すと過呼吸になるの。

ゆ、許したのに…。

苦しかったけど、京香のこと許したのに!」