あーあ。


里桜ちゃんて、ほんま顔に出やすい子やなー。


明らかに顔引き攣ってるで。


まぁなー。


好きな相手が彼女とイチャイチャしとったら、そらイヤやろな。


イチャイチャ言うか、朝田さんの態度がなー。


キョウセイのために肉取ったり、箸渡したり、甲斐甲斐しいっちゅうか、女房みたいや。


ライブの後の居酒屋でも思たけど、俺はあんなんされたら正直うざい。


見え見えやねん。


エエ女に見られたいだけやろ。


どこがええねやろ?


そらまぁ美人やし、一夜を共にするならええかもしれへんけど、彼女にするんはちょっとなあ。


なんか、いけすかん奴やー。


その点、亜美ちゃんと里桜ちゃんは自然体でむっちゃ付き合いやすい。


男に媚びてへんからな。


まぁ恋愛対象にはなりにくいタイプかもしれへんけど、友達としては最高にええ子らやなーと思う。


「そろそろ相原君達も食べてもいいよ」


お客さん達の食べる勢いが少し緩やかになった頃、おじさんがそう言った。


ええ匂いでむっちゃ腹が減っとった俺らは、早速肉に群がった。


「うまー。外で食べるのって、なんでこんなにうまいのかなー」


嬉しそうに笑う小山。


「ほんまやなー。やっぱ夏はバーベキューやな」


「おいしい。野菜も新鮮だしねー」


亜美ちゃんもうまそうに食うてる。


けど、里桜ちゃんがなー…。


やっぱ元気あらへん。


声かけたろかな。