もう一度抱いて

今日、二人はあの部屋に泊まる。


ーということは。


二人はきっと…。


あぁ…。


どうしよう。


胸が。


胸が痛いよ…。


その時、ドクンと心臓がやけに大きく音を立てた。


一瞬蘇るあの光景。


高3の時に付き合っていた平野君と京香が抱き合っていた光景。


鮮明に。


それは鮮明に蘇る。


その途端、身体中がブルブルと震え、呼吸が乱れ始めた。


「いや…。

やめて…。

お願い…。

やめて…」


私は両耳を押さえて、ギュッと目を強く閉じた。





「いやぁーーーーっ」