繋いだ手はすごくあたたかくて。


まるで、夢を見ているみたいだった。


時々、キョウセイと肩が触れ合ったり。


段差があるところは、立ち止まって待っていてくれる。


夢なら、このまま覚めなければいいのに。


ずっと、このままキョウセイと手を繋いでいられたらいいのに。


「もうすぐ下に着くよ」


キョウセイの言葉に、思わずシュンとしてしまう。


あーあ、もう着いちゃうのか。


そうだよね。


現実なんて、そんなもの。


ふぅと息を吐いたその時だった。


「トモオ君っ」


その呼び方に、ドクンと心臓が跳ね上がる。


私達の視線の先に。







京香の姿が見えた。