その後、自分の持ち場までどうやって帰って来たのかよく覚えてないが、気が付くと私はフロントのカウンター内に居た。
「ねぇ、瑠菜大丈夫??」
私の隣に座っている美伽が心配そうな顔付きで話し掛けてくる。
あーあ、こう言う時はほっといて貰いたいんだけどな。
が、美伽にそんな私の気持ちは通じない。
それはまぁ仕方ないか。この子鈍いから。
「あっ、大丈夫。ほら美伽これ遣んないと帰れなくなるんじゃあない?」
「あ、そうだった」なんて言いながら美伽が自分の仕事を始める。
私はそんな美伽を横目にまたため息を吐いた。
どうしたら、いいんだろ?
私の頭の中にはその言葉ばかりがぐるぐると渦巻いてる。
分かってる。トシくんとは遅かれ早かれこう言う問題が訪れると言う事を。
トシくんとずっと一緒に居たい。とは思うけどそんなのは所詮無理な話なんだ。
そんなのこの関係を始めた時から分かっていた事なのに。
そう思うのに、余計に私の胸の中にモヤモヤは広がる。


