イライラをおさめる為に「ちょっとトイレ……」と美伽に告げ私は早足に持ち場を離れた。
が、そこで思いも寄らない人に声を掛けられた。
「ねぇ高橋さん」
「え?」
いきなり声を掛けて来たのは萩原さん。
トシくんと同期でトシくんともかなり仲良しな先輩の一人だ。
私になんの用だろ?
彼とは殆んど関わる事がなかった私。
だから萩原さんが声を掛けて来ることが不思議でならない。
「あのさ、今、ちょっといい?」
「は…い、何か用ですか?」
私がそう返事すると彼はくるりと踵を返し、私の台詞に返事もせずにすたすたと歩き出す。
私は仕方なく彼の後を着いていくしかなさそうだ。
辿り着いたのは人気ない倉庫で、そこで足を止めた萩原さん
。
だから私も彼から少し距離を取り足を止める。
するとくるりと振り返った萩原さんは私にとんでもない事を言ってきた。
「ねぇ、いつから?」


