トライアングル




いつもよりも遅い電車に乗り、私は一人アパートに帰る。



「ただいま」と真っ暗な部屋に声を掛けても、なんの返事も返ってこない。



これが当たり前な私の日常。



さっきまでは、私夢見てたんだ。



彼の腕の中で、非日常的な夢を。



まだ身体には彼との余韻が残っているけど。



だからそのまま夢の続きが見れるのならと、私はそのままベッドの上に寝転がる。



あーあ、本当に二人で旅行行けるのかな?



彼はそう言ったけど、これこそ夢で終わりそうな話し。



まだお泊まりすらしたことない私達がそんな大胆な事、出来る訳がない。



なんだかんだ言っても、彼は家族を大切にしている。



私はその大切に家族にはなれない。



「……はぁー、私、何してんのかな?」



ゴロリ、寝返り打ってもなかなか眠りにつけない。



彼とこうやって身体を重ねた夜は特に眠れない。



「トシくん……」



貴方は今、何してますか?


おうちに帰ってパパを演じているのかな。



いつか私が貴方の隣に堂々と居られる日はくるのかな?


今、私の事考えてますか??