トシくんの呟きに驚きつつ、嬉しくて嬉しくて仕方ない。
そんな私の表情を読み取ってか、彼はそっと私の耳元で囁いた。
「今度二人っきりで旅行行こうか」
え?それって……。
彼の腕の中からそっと彼を見上げると、ちょっといたずらなけど優しさ眼差しで私を見下ろす。
「……うん」
私はその眼差しが恥ずかしくて彼の視線から逃れる様に俯いて。
でも、ふと思ってしまう。
嬉しい反面、違う事も考えてしまう。
おうちは大丈夫なの?
だけど私のそんな心配を他所に彼は私をギュッと力強く抱き締める。
「あーあ、ずっとこうしてたいな。瑠菜と一緒に居るのが一番落ち着く」
「………」


