おでこにチュッと音をたてた唇が離れて行くと同時に、彼の腕が私の背中に回り自分の方へ引き寄せる、
何もまだ纏っていない私達は、その肌の温もりにまるで引き寄せられる様にベッドの上で抱き合う。
彼の胸元に顔を埋めて、彼の温もりを感じながら、ほんの少しの間幸せな夢を見る。
もしもこの時間が永遠に続いたのならすごく幸せなのに。
でも、所詮彼には家族が居る。帰らなければならない家がある。
そう考えると悲しくなる。
ここでこうやって抱き合っている時間は私だけの彼だけど、一歩ここから足を踏み出せば彼は私だけのトシくんじゃあない。
そう思うと、胸がズキンと痛み、自然と彼の背中に回した腕に力が入る。
すき、すき、だいすき……。
でも、彼には言えない。
彼の迷惑にはなりたくないから……。
「あーあ、なんか時間ってあっという間に過ぎてくね。
このまま、帰りたくないな……」


