「え?」



私達を繋ぐ指先ばかり気になって、肝心の彼の話を聞いていなかった私。



そんな私をトシくんは知ってるのに、わざとイジワルを言ってくる。



「もしかして、飯より俺が欲しいの?瑠菜って結構大胆でエロいよな」


「ち、違うし」



頬を赤く染め俯きながら反論する私。


本当はからかわれているのに気付きながら、それでもそんな反応を彼の前ではしてしまう。



トシくんには可愛いって思われたい。



私の素を知ったら、きっと彼は私から離れていくから。



「っーか、コンビニにしよ。俺、すぐにでも瑠菜食べたい」


「………」



もぅー……。


恥ずかしい台詞を私の耳元で囁いた彼は、行き先が決まるとすたすたと私の手を握り締めたまま歩き出す。



私はそんな彼の大胆な行動にドキドキと鼓動を高鳴らせながらも必死で着いていく。




コンビニで適当に飲み物や食べ物、お酒やそのつまみなと買い込んだ私達。



そして、いつもの場所に向かう。



「今日はどうする?瑠菜が決めていいよ」