私、そんなにヤバい顔してた?!


彼の腕の中からそっと上目使いで見上げると、彼は唇の端を上げ意地悪な笑顔を張り付けて、けどすぐにいつもの優しい笑顔で私を見詰めた。



「っーか、なんか嬉しかった。瑠菜の嫉妬」


「………」



し、嫉妬って!?トシくんにはばれてたの!!



「それに、仕事場で『トシくん』はヤバいんじゃない?」


「………」


私を抱き締める腕の力は緩むことはなく、耳元で囁く甘い声に私は抵抗を忘れ顔を赤くし俯く事しか出来ない。



トシくんにみんなバレてる。


は、恥ずかし過ぎる。



そんな私を見て彼の口からクスクスと小さな声が漏れる。



「もぅー、あんまりイジワルしないで!!」


「えっ?どうして??

好きな子をからかいたくなるのは仕方ない事なんじゃない」


「………」