「ねぇ、今日大丈夫?」 耳元でちょっと低めの甘い声で囁く彼は私の所属する部署の上司。 カウンタ越しにもフロントにも誰も居ないことを確認して、彼はそう囁いた。 「うん、大丈夫」 離れていく彼の横顔を見詰めながら、私はそっと微笑んだ。 彼はそんな私を見て満足そうにちょっとだけ頬を緩める。 けど、いつ何時誰に見られているか分からないから、だからすぐにいつもの上司の顔を戻る。 「後で連絡する」 「うん」 二人して横に並び顔も見ずに会話。 こんな会話すら私はドキドキしてしまう。