この場を取り仕切るのは、やっぱり萩原さんで、
そんな風に私達に声を掛けてくれるだけでも嬉しい。
例えその台詞が、私だけではなくとも。
「ねぇ、美伽はどうする?」
「えっ…と、瑠菜は?私瑠菜と同じでいい」
「じゃあ、ウーロンハイあたりにしようか」
「うん」
そんな私達のやり取りを見ていたのか、萩原さんから「二人は仲良しなんだね」なんて言われてしまい、二人して顔を見合わす。
確かに仲良しだけど、そう萩原さんに指摘されると、何となく恥ずかしい。
瑠菜も私と同じ様に感じたのか、頬を赤く染め俯いていた。
って、瑠菜にしては珍しい行動かも。
瑠菜はどちらかと言うとなんに対してもあまり動じない体質なのに、
まだお酒も飲んでないのに赤くなるなんて。
可愛い。なんて思いつつ私は隣に座る瑠菜をみていた。
瑠菜がどうして頬を赤く染めたかなんて理由も考えず、ただぼんやりと。
注文した飲み物も届き私達は乾杯する。
室内にグラスがぶつかる音が響き渡る頃、「遅れてごめん」と女の人が一人入って来た。


