アタシはそんな海斗くんをニヤリと笑った。



「やっと気付いた?海斗くん。」



海斗くんの顔で、今彼が何を考えているのかが容易に想像できる。



だから、少し眉間に皺を寄せる海斗くんに「イメチェンしたの。」と付け加える。



「二人は知り合いだったの?」



と問い掛ける梨伽に「うん。」と頷きわざとらしく口角を上げる。



…だけど海斗くんは「は?俺たちって知り合いってまではないでしょ。」って顔をしている。



あ、ちょっと悔しい。



アタシは海斗くんのこと覚えてたのに、海斗くんはアタシのこと忘れてたんだ。



アタシは少し頬を膨らませて、海斗くんを軽く睨む。



「なんだー、やっぱり分かってないんだ?麗奈たち、会ったの昨日が初めてじゃないんだよ?」



何も覚えていない海斗くんに、始めから知り合いだったことを伝える。



「何かの勘違いじゃない?俺やっぱり覚えてないよ。」



なんて…。



はぁぁぁ…



「本当に覚えてないんだ…。…麗奈ね、麗依ちゃんの妹なんだけどな。」



「麗依ちゃんて…?」



「は?麗依ちゃんのことも知らないの!?…海斗くんて本当に空花ちゃんの弟なの?」