「海斗くんだ…」
アタシの呟きが聞こえていなかったのか、梨伽は背伸びをして手を振った。
「たっくん!!」
パッとこっちを見て、ニッコリと笑った梨伽の彼氏と、ギロッと一斉に後ろのアタシたちを振り向く女の子。
怖っ!!
「梨伽っ!!」
このイタイ視線の中近寄ってきた来た梨伽の彼氏と海斗くん。
これだけ近付いても、海斗くんは一向にアタシのことに気付かない。
「女の子たちに嫉妬しちゃった。」と言う梨伽に「俺は梨伽だけしか興味ねーし」とラブラブな二人。
…周りの視線がビシビシとアタシたちに向けられる。
お願いだから、二人の世界に入らないで…。周りが怖い。
「あ、そーだ梨伽!!コレ俺の親友の海斗。」
ニッコリと笑いかける海斗くんに梨伽が挨拶をする。
「こんにちはー梨伽です☆で、こっちが友達の麗奈です。」
…と、梨伽がアタシを紹介すると、それまで笑顔だった海斗くんの顔が数秒後に崩れた。
「って麗奈っ…ちゃん?」
驚く海斗くんの顔を見て、可愛いと思ってしまった。
だって、いつもは切れ長の目が丸いんだもん。


