梨伽と二人できた、大倉学園の前には案の定出待ちの女の子がたくさんいた。
「麗奈ー(泣)」
アタシの制服のシャツを掴んで、早速怯んでいる梨伽が弱気な声をあげる。
「…妬かないでね。」
「うぅ…。」
噂通りのイケメンたちが、正門から出てくる。そのたびに女の子が、名前を叫ぶ。
凄っ!!
そう思いながらも、後ろの方で梨伽の彼氏を待つ。
だけどアタシは、また会えるか分からない海斗くんを探していた。
女の子が少なくなってきた時、また叫び声がした。
「きゃー!!南さんと蓁崎さんだあっ!!」
南…?
アタシがフッとした時、それまで俯いていた梨伽が勢いよく顔を上げる。
少し遠くを見ると、イケメンが二人正門に向かって歩いて来ていた。
「彼氏?」
アタシが聞くと梨伽は嬉しそうにしながらも、少し頬を膨らませていた。
「ムカつく。アタシのたっくんなのに…。」
妬いちゃった。
もう一度正門に目を向けると、二人の姿がさっきよりも大きくなりはっきり顔まで見ることが出来た。


