翌日の放課後。
帰り自宅をするアタシの耳に、幸せそうなテンションが少し高い梨伽の声が届いた。
「麗奈ー行こうっ♪」
頬をピンク色に高揚させ、教室の外で手を振っている。
「はいはーい。」
今から行く所は、この辺では有名な大倉学園。芸能人の生徒が多数いるイケメン高校。
一般人の生徒でも、ほとんどがイケメンなんて漫画じゃないんだから、と思いたくなる。
だけど、それは事実で大倉学園の制服を着ている人は本当にカッコいい。
でも、何故その高校に今から行くかって言うと…梨伽に大倉学園に通う彼氏が出来たから。
昨日の呼び出しはその事だった。
本当は行きたくなかったけど、海斗くんも大倉学園だったことを思い出し梨伽に着いて行くことを決めた。
「はー緊張するー!!」
と胸に手を当てる梨伽は本当に可愛い。ふんわりとした雰囲気でアタシとは正反対。
「でもさー梨伽?倉高って出待ちの女子がかなりいるんじゃなかった?」
「うーん…そうなんだよね。でも、なんとかなるでしよ。」
「梨伽がいいなら良いけど、嫉妬とか妬かないでよね。」
「が、頑張る。」
駅のベンチで鏡を見る梨伽の隣で、アタシはメールを打った。
同じクラスの由佳からのカラオケのお誘い。
あまり、気分は乗らないけど付き合いは大事だと思うし…行っとくか。


