でも、アタシは麗依ちゃんに無断外泊がどーのこーの言われたくないんだけど。
それにアタシは、泊まりたくって泊まったわけじゃないし。
麗依ちゃん、マジムカつく。今は母親だから落ち着いてるけど、光輝産む前はアタシより荒れてたくせに。
高校中退した麗依ちゃんが──
説教たれてんじゃねーよ。
とは、死んでも口にはだせませんわな。
殺される。
ガミガミと二十分は続いた説明も終わり、そこから逃げるようにお風呂に入った。
あー、お湯に浸かりたい。シャワーだけじゃ、身体の痛みも疲れも取れないよ。
綺麗に身体を洗い、部屋着に着替えて髪を拭きながらもう一度リビングへ向かう。
すると、なんだか美味しそうな匂いが廊下に漂って来た。
ガチャとドアを開けると、キッチンに麗依ちゃんが立っていて何かを作っている。
ドアの前につっ立っているアタシに気付くと、
「光輝読んできて。少し早めのお昼にするから。」
と、また視線を手元に戻した。
さっきの訂正。やっぱり麗依ちゃんは良いお姉ちゃんだった。
麗依ちゃんに言われた通り、庭で一人遊びをしている光輝を呼び一緒にご飯を食べた。


