リビングのドアを開けると、麗依ちゃんが掃除機をかけていた。
「ただいまー。」
掃除機をかけているからか、小さな声しか出さなかったアタシには気付いていないみたいだ。
テーブルの上には何も乗っていないので、自分で冷蔵庫の中を捜索する。
あー、この唐揚げ美味しそー♪昨日の残りかな、温めて食べよー。
ゴソゴソと食べ物を探していると、背中に激痛が走った。
「何やってんの?」
恐る恐る振り返ると、かなりキレている様子の麗依ちゃんが仁王立ちしていた。
「…痛い。」
「当たり前でしょ、痛くしたんだから!!冷蔵庫閉める!!」
ハイ…。
冷蔵庫を閉め、そのまま板張りのキッチンに正座させられる。
「昨日何処に行ってたのっ!?」
かなりの迫力に、顔を上げられない。…チビの癖に。
「か、彼氏ん家。」
「無断外泊が許されると思ってんの?しかも男の家。」
まぁ、正確には元カレだけどね。
「もし、間違えがあったらどうすんの!?」
…間違え、ね。間違えあったよ…しかも、あっちは無理矢理だったから生だったし。
「聞いてんの!?」
「…ハイ。スミマセンでした。」


