どうしてだろう?



俺はその日、いつになくぼーっとしていた。



親友と喧嘩したことが原因か、4歳年上の姉が結婚(しかもデキ婚)するという、驚きの事実が原因か…



よくは分からない。



でも、やっぱり俺には周りが見えていなかったということは紛れもない事実だ。


ガラーンとした始発電車の中、俺は1人椅子に座り窓の外に見える空を、首を回して見上げていた。



その日は本当に綺麗な空だった。



俺の心の中とは正反対のカラッと晴れた青い空に少しイラついてしまった。



そして、なんでこんなに沈んでいるのかも分からない自分にさらにイラついた。


だからかは分からない。



でも俺は確かに気付けなかった。