本当に何もすることが無い。



特別仲がいいわけでもないし、付き合っているわけでもない。



「…」



さっきから何の会話もない。テレビのバラエティー番組だけが盛り上がっている。



俺は別にそれでいいんだけど…いや、むしろそれがいい!!だけど麗奈はそれでいいのだろうか?



時間はまだ一時過ぎ、ここから待ち合わせ場所まではそう距離もないから急ぐ必要もない。



だけど…



立ち上がり、クローゼットから適当に洋服を取出しドアに手をかけた。



その時、ようやく麗奈が口を開いた。



「あー、別に気にしないよ?」



「はい?」



「だから、わざわざ出ていかないでいいよって。ここで着替えれば?」



「気にしなさい。」



そう一言だけ言って部屋を出た。



麗奈は本当に突拍子もないことを言ってくる。高校生なんだからもう少し、落ち着いて欲しい。



洗面所で着替え、軽く髪を整えてから部屋に戻る。



「行こうか?」



「まだ早くない?」



「ここにいるより、外で時間潰した方がいいでしょ。」



そう言って、麗奈のバックを持ち部屋を出た。



そんな俺のあとを追い、慌てて麗奈も部屋を出る。



財布と携帯も持ったし、準備も整った。麗奈が靴を履くのを待って家に鍵を閉めた。