チラッと麗奈の方を見ると、俺の返事によって顔がパアッと明るくなった。
「ありがとうっ海斗くん!!」
なんて、手を握ってくるもんだから、不覚にもドキッとしてしまったり…。
「で、何処で約束してるの?」
「あ、うんっ…えっと最近新しく出来たデッカイ店知ってる?そこに三時なんだけど…大丈夫かな?」
デッカイ店と言うと、ちょうど地元の郊外に出来たところだ。
「大丈夫。…で、俺は彼氏のフリをすればいいわけね?」
「うん、よく分かったねー」
いや、普通にあそこまで言われたらそれくらい分かるから。
麗奈は満足そうに携帯を取り出すと、携帯を操作し始めた。
「赤外線しよー。麗奈の番号知らないでしょ?」
と、少し首を傾ける。
「や、さっき空花に貰った。」
麗奈は少し目を丸くして、「なんだ、海斗くんもか」と笑った。
そんな麗奈に吊られて、俺も少し笑った。
「じゃ、また連絡するから」と言い、俺と麗奈は駅で別れた。


