「何か奢るよ、昨日のお礼もあるしね。」
まさか、麗奈の方から誘ってくれるとは思わなかったけど…これでこの件は一段落。
のはずなのに…
「いいっ!!奢りとかいらない。」
「え?」
断らないでくれっ!!
当然奢らせてもらえると思っていたのに、断られてしまった俺はすっとんきょうな声をあげてしまった。
「なんで…?」
「奢らなくていいから…こんどの土曜日付き合ってよ?」
「え?」
「彼女も居ないんだよね?それとも、何か用事でもあった?」
そりゃあ、彼女も用事も無いけどさ…あまりにもいきなりすぎない?
「ほらっ、ボサッとしてないでとにかくどっか入るの!!」
「入るのっ!!」拒否権無し?
マイペースって思ってたけど、いや…マイペースには変わりないんだろうけど、自己中っつーか女王様だな。
なんか、最近こんな性格の女の子が多いのは気のせいだろうか?
「もうっ!!海斗くん!!」
「あ?…あぁ」
ポケッとして、いつまでも動かない俺に痺れを切らしたのか、麗奈は俺の腕を掴みグイグイと歩きだした。


