「海斗くん。何勝手なことしてんのよ?誰の店だと思ってるわけ」
「あ、はいコーヒー。ブラックでよかったよね?」
マグカップにコーヒーを淹れた時、丁度休憩室に入ってきた空花に専用のマグカップを渡す。
「ありがとう…っじゃねぇつ!!あんまり勝手なことしてると出禁よ!!」
や、別にそれ苦じゃねーし。
「そんなことはいいから、まぁ座れって。な?」
「アンタまじで何様よ?」
そう言いながらも渋々、取り敢えずといった感じで休憩室に置いてある赤いソファに腰掛けた。
「…で、何?」
「うん、ちょっと聞きたいことあったんだけどさ…『れい』って女の人知ってる?」
学校の帰りに麗奈から聞いた名前を口に出す。
「れい?アンタ麗依知らないっけ?いつも家来てるじゃん」
「はぁ、そんなの知らねぇし」
「知らないとか、絶対ありえないっ!!金髪ロングのちびだよー」


