拓真はこの事を、彼女出来た嬉しさで忘れていたのかちょっと苦笑い。
「…まぁ、あれだっ!!一番可愛い女の子だよ!!」
「…そうですか」
二人で校門に近づいた時だった。毎日恒例の…
『きゃあー、南さんと蓁崎さんだっ♪』
『本当カッコいい!!』
…女雄叫び。
でも、昔の癖なのか女の子の前では教師の前と同じように愛想笑いを浮かべてしまう。
俺が微笑むと、顔を真っ赤に染めるたくさんの女の子。そんなにいいものなのかね?
「たっくんっ!!」
少し遠くから聞こえた、女の子の声に拓真が反応する。
「梨伽(リカ)っ!!」
梨伽というのか、拓真の彼女は。そう思いながら拓真の後ろを着いていくと、その先にはふんわりとした雰囲気の小さい女の子と綺麗だが無表情な女の子が居た。
確かに二人とも可愛い。
「たっくん、カッコ良すぎだよぉ。ちょっと女の子たちに嫉妬しちゃった」
そう口にしたのは、ふんわりとした雰囲気の姫系の女の子。こっちが拓真の彼女か。
「気にすんなって!!俺は梨伽だけしか興味ねーしっ♪」
こんな台詞をぬけぬけと言葉にするのは、普段合コンで鍛えているからなのか?
「まじ嬉しいっ♪」
初々しいのは分かるけど、二人の世界に入らないで欲しい。周りの女の子たちの視線が凄く痛い。


