ガチャッ
バタンッ
部屋に戻ると、加藤センパイはもういなかった。
「お邪魔しまーす…。」
杏里はおずおずと入ってくる。
天野は、ベットの上で目を見開いていた。
「…なに、小林、女連れてきたんだ?」
「…うっせ。」
自分だって連れてきてるクセに。
「女子進入禁止とか言ってたの誰だよ。」
「べつに、やましいことしようなんて思ってない。」
「や、やまっ…!?/////////」
杏里が赤くなる。
「包丁で指切ったから、杏里に手当してもらおうとしてるだけだけど。」
「…へー。もう名前呼び捨てなんだ?
キミが杏里ちゃんか。
こんにちわ。
オレは天野竜哉。夏音の友達なんだよ。」
よく言うな。
最近は一言もしゃべってなかったクセに。
「天野は友達じゃない。
ただのルームメイトだから。」
「あ、えと、こんにちわ。」
杏里、律儀だな。
「じゃあ、杏里頼む。」
「うん。」
杏里は、俺の指を消毒して、バンソーコーを付けた。
こんな作業が、俺はできないのだ。
「杏里ちゃん、夏音に飽きたら俺のとこにおいで。
いつでも待ってるよ~。」
「おまえ加藤センパイいるだろ。」
「あ~、アレセフレだから。」
うわ、最低。
加藤センパイご愁傷様です。
そう思っても、どこか心の中でホッとする俺がいて。
そんな自分に、無性に腹が立った。


