俺の部屋へ向かう途中。
杏里さんが言った。
「あの、ホントにわたしでよかったの?」
「え、あ、うん。杏里さん器用そうだし。」
「わたし…経験ないよ?」
「でも俺、手当てするの下手だから。」
「…あ、あぁ、そっち…。」
そっちって、どの話──────…あ、
「俺、部屋に女の子入れるの初めてだからね?」
「そ、そうなの!!よ、よかった…。」
何が良かったかは知らないが、取りあえず誤解が解けて良かった。
「それにしても、料理は上手なのに…フフッ、小林君って、自分の手当するの苦手なんだね」
「ホント、杏里さんがいてくれて良かったよ。」
そういうと、杏里さんは真っ赤になった。
「あ、あの…小林君。杏里さんじゃなくて…杏里でいいから!!」
「あぁ、そう?じゃあ、杏里。」
「~~~~~~~~~~~ッ!!//////////////」
さらに真っ赤になった。
はは、好きな人のことを聞いたときの天野みたい。
ほんっと…
「かわい。」
「へっ!?」
「あ、いや。なんでもない。」
うわー、俺キモッ。
口に出してたとか。
「あ、じゃあ、さ。
俺のことも、夏音でいいから。」
「えぇっ!?む、無理だよ…!!」
「いーからいーから。」
「え…か、夏音くん…」
「なーに?」
「え、だっえ、そう呼べって…」
「あはは、そだね。」
「か、からかったの!?もう…ー!!」
「ごめんごめん。」
杏里といると、心が軽くなったみたいに楽だった。


