ガチャッ
バタンッ
部屋に、天野はいなかった。
良かった…。
「フー、フー…ッさい、あく…」
こ、わ
なにあの人っち。
ガタガタ
ガタガタ
ガタガタ
震えが、止まらない。
とりあえず、パンツとズボンをはいた。
それから、それから…
なにをすればいい?
俺は、どうすれば…
ガチャッ
バタンッ
「あ、戻ってたのか。…あ、あのさ。」
…天野だ。
「…こっちに来るな!」
俺は、体育座りをして顔を膝の間に埋めた。
「あーそーかよ。」
チッ、と舌打ちをして、ベットに寝転がる音がする。
ガタガタ
ダメだ。
気付かれるな。
ガタガタ
止まれよ。
ガタガタ
ガタガタ
「フー、フー…」
まだ、息が荒い。
は、どんだけビビりだ、俺。
「────────────…夏音?」
ほら、気付かれた。
なんなんだよ。
何で気づくんだよ。
「…ッ来るなっつってんだろ!!」
「夏音…?」
なぜ呼ぶ。
どうして俺を呼ぶ。
「夏音…? なにか、あったのか?」


