やがて走る力もなくし、トボトボと歩く。 俺は近くの路地裏に沿ってしゃがみこんだ。 ドクンッドクンッ ドクンッドクンッ ドクンッドクンッ ドクンッドクンッ 「ッハ、ハァ…ハ、ハッ」 (発作か…!!) 俺は無理矢理深呼吸をして、落ち着かせようとしたが、逆効果だった。 ふと空を見上げると、三日月が妖しげに浮かんでいる。 視界が滲んで、もうだめかと思ったとき。 「夏音…じゃなかった、小林君…?」 姿はぼやけていたが、その声は確かに───… 「…ッつ、しろ」 杏里、もとい津白の声だった。