「なに、言って…」
「だって事実だろ?」
「…。」
怖い。
あんなに優しかった先輩が、今はただただ怖い。
(大丈夫…!
天野が助けにきてくれる…!
今日は急用があっただけだ。絶対きてくれる!!
俺は天野を信じるんだ。
だから、大丈夫…!!)
自分に必死に言い聞かせる。
いざとなったら、天野が駆けつけてくれる。
だけど、怖いものは怖い。
「…やだなぁ、夏音、そんな怖がんなって!!」
明るく言われても、警戒心は解けない。
「ほら、お茶でも飲めよ」
そう言って差し出されたペットボトル。
なんだか手を着ける気になれなかった。
すると先輩は、深いため息をつく。
「ハァ────────…
しょうがねぇな、強引だけど…
飲まなかった、夏音が悪いんだからな?」
な、に…をする気だ。
その疑問は呆気なく解決した。
先輩が普段天野の使っているベッドへ、俺を押し倒したから。


