[B L]だからスキって言ったのに



「ハ、ハァッ…ハッ」


天野と俺は、体育館裏まで一気に走った。


「───…夏音。」

「ゴメン…!

天野に言ったら嫌われるんじゃないかと思って!!

だって俺、分かんなかったし!

ようやく心の整理できて、それで…っ!!」


言葉の途中、天野は俺を抱き締めた。


「…もう、いい。

怒ってないから、落ち着けって。

発作出かけてんだろ…?」


…バレてたのか。


「あ、その…ッは、ぁ…っ」

ハッ、ハッ

呼吸がしにくい。

息が詰まる。

胸が苦しい。


「フー、フー…ッは、ん…んぅ!?」

肩で息をする俺に、天野はキスをした。

力強くて、それでいて優しいキスを。


「ん…っふ、んぁ…は、ぁ…」

触れるだけのキスから、だんだんと濃密なものに変わっていく。


卑猥な音が、体育館裏の空気を満たした。


「ん…っあま、の…ッふ、ぁ…」


ちゅく

じゅる

ぴちゃっ…


水音が、俺の熱をさらに上げる。


「夏音…」

「あ、まの…

もう、怒って…ない?」


発作が止まり、熱が体を狂わせそうになった俺は、気を紛らわせようとそんなことを聞いた。


「んー…

怒ってる。」


「えぇ!?

さっき怒ってないって…!」


「部屋に戻ったらお仕置きしないとなぁ…?」


な、なんで意地悪な目に戻ってんの…!?


「え、あ…ちょ、天野まっ」

「待つかバーカ

食堂の手伝いにも行けないと思え!!」


そう言って、天野はニカッと笑ってみせた。


そんな笑顔に安心してたんだ。





だけど。


安心と油断を勘違いしていた。

そのせいで、俺達が追い込まれる。









そんなこと、考えもしなかった。